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リノベコラム

2026/06/02 2026/06/02

ファミリークローゼットのメリット・デメリットとプロが教える最適な広さ・寸法と失敗しない判断基準

こんにちは!兵庫県神戸市の株式会社Zeal(ジール)です。

最近のリフォームや新築において、「ファミクロ(ファミリークローゼット)」の設置を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

家族全員の衣服や日用品を一箇所にまとめることで、各部屋に収納家具を置く必要がなくなり、生活空間を広くすっきりと保つことができます。

しかし、ただ広い空間を作れば良いというわけではなく、通路の幅や棚の寸法、湿気対策などを十分に検討しないと、住んでから後悔してしまうケースもあります。

今回は、数多くのリフォームを手がけてきた現場のプロの視点から、使いやすく後悔しないファミクロの作り方や寸法の目安、現場でのリアルな施工の工夫について詳しくお伝えします。

ウォークイン型とウォークスルー型の違いと選び方

ファミリークローゼットには、大きく分けて「ウォークイン型」と「ウォークスルー型」の2つのスタイルがあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットは以下の通りです。

スタイル 特徴・メリット デメリット・注意点
ウォークイン型 部屋のように入り口が1つで、中で行き止まりになる形状。壁面が多く確保できるため、収納量が豊富。 奥に入れたものが取り出しにくくなる場合があるため、広さと配置の工夫が必要。換気がしにくい。
ウォークスルー型 入り口と出口があり、通り抜けができる形状。玄関や洗面室から直接アクセスできるなど、生活動線や家事動線がスムーズになる。 開口部が2箇所になるため、壁面が減り収納量が少なくなる。

ご家族の生活スタイルによってどちらを選ぶべきかは変わりますが、設計の段階で注意すべき点があります。

ウォークスルー型の設計段階で注意すべき点

ウォークスルー型は通り抜けのために2箇所に開口部が必要になるので、その分の約80cmから90cmのハンガーパイプが設置できなくなります。コーナー部分が作れないため収納量が減ってしまったりという側面があります。そのため、ウォークスルーにする場合は少し大きめに計画しないと、荷物が入りきらなくなってしまいます。一方で、玄関から直接行けるなど動線としては非常に便利で、上着やカバンをすぐにしまえるため、靴などが玄関に溜まらず常に綺麗に保てるという大きなメリットがあります。

ファミリークローゼットにおける最近のトレンド

最近のトレンドとしては、ランドリールーム側にファミリークローゼットを作るケースが増えています。

洗濯をして乾燥機にかけ、ほぼ乾いた状態の服をそのままハンガーラックに収納したり、カウンター付きのチェストを置いてその場で畳んだりという動線です。

下着類も洗面室やその周辺のファミクロに集約することで、家事動線が非常に楽になります。

今までは各子供部屋に収納を作っていましたが、最近は個人の部屋を小さくして、ファミクロやリビングなどの共有スペースを広く取る考え方も流行っています。

また海外の住宅のように、靴やアクセサリー、時計なども一箇所にまとめて全身のコーディネートを完成させる使い方も人気があります。

後悔しないファミリークローゼットのサイズと通路幅の目安

ファミリークローゼットの設計基準を4人家族で想定してみます。

1. 必要面積の目安とレイアウト寸法例(6畳空間の場合)

4人家族の衣類を収納する場合、広さによって以下の用途や収納量となります。

広さ 用途や収納量
2畳 家族全員分の衣類収納は困難。下着や一部の衣類収納に限定される広さ。
3〜4畳 家族全員の衣類を収納する上で必要となる、標準的な広さ。
6畳 ゆとりを持って収納できる、理想的(贅沢)な広さ。

例えば6畳で短辺が2700mmある空間の場合、両サイドに60cmずつハンガー用の服のスペースを取っても、間の通路幅として1m40cm(1400mm)ほど確保できます。

2、通路幅の目安

【画像左:省スペースな広さ】
広さは確保できないけれど、なんとかファミリークローゼットをつくりたい!という場合は、服の幅を60cm、通路幅を60cm、反対側の服の幅を60cmというギリギリの寸法でスペースを作ることも可能です。ただ、通路幅が60cmだと中で着替えるのはかなり難しいです。

【画像中央:ゆとりのある広さ】
出来るなら通路幅は1m欲しいので、両サイドに服をかけるなら部屋の幅は2m20cmが標準的です。

【画像右:フィッティングもしやすい広さ】
さらに、中で着替えたり姿見の鏡でコーディネートをチェックしたりするなら、通路幅は1m20cmから1m40cmは確保したいところです。

収納スペースの確保だけでなく、人がすれ違ったり着替えたりするための十分な通路幅を確保することが日常の使い勝手を大きく左右します。

使い勝手を決めるハンガーパイプと棚板の寸法

収納の効率を上げるためには、ハンガーパイプの高さや棚板の奥行きを収納するアイテムに合わせることが重要です。

ハンガーパイプは、床から1800mmから1900mmの高さが基本です。

服を吊るすと両肩で約60cmの幅を取るので、ハンガーパイプの真ん中の位置は、奥の壁から最低でも30cmプラスアルファ、できれば35cmくらい離す必要があります。

特定の人の身長に合わせるよりは家族全員が使いやすい標準的な高さにし、ロングコートやワンピース用と、上下2段に分ける用などでスペースを振り分けるのもおすすめです。

収納におけるアドバイス
市販の収納チェストなどは奥行き45cm弱のものが多いので、それに合わせて45cmから50cmの棚板があると使いやすいです。逆にTシャツなどをオープンに畳んで置く場合は、35cmから40cm程度の方が奥まで見やすく取り出しやすくなります。できれば、両方の奥行きがあると便利です。収納は『浅く広く』が基本で、二重にして奥に押し込むような形は避けるべきです。

棚板の奥行き寸法 おすすめの用途・収納物
30cm〜35cm Tシャツやニットなどを畳んで平置きする。奥まで見やすく、取り出しやすい。
40cm〜50cm

無印良品などの市販の収納チェストや引き出しケースをぴったりと収める。

見えない部分の施工と収納量を確保する現場の工夫

ファミリークローゼットを安全で使いやすい空間にするため、現場では目に見えない部分にも様々な工夫を行っています。

枕棚や中段にハンガーパイプを取り付ける際、下からビスで止めるだけでなく、棚板の厚みを挟み込んで上から吊ってくる金具を使います。

間口が広い場合は中間にも吊るす金具を追加することで、重い冬物をたくさん掛けても荷重に耐えられるようにしています。

また、横が引き戸などで扉の引き込み部分になり壁がない場合、通常であれば壁から壁へと枕棚を渡すことができません。

そういった場合は、背面の壁内に補強を入れて『ジョイントパネル(サイドパネル)』と呼ばれる部材を取り付け、そこに枕棚を固定する工夫をしています。

これにより、壁がない場所でも枕棚をつけることが可能になります。

ジョイントパネル参考資料

大切な服を守る湿気・カビ対策と日焼け防止

衣類を保管する場所で特に気をつけなければならないのが、湿気によるカビや、紫外線による日焼けです。

マンションなどで玄関通路から入ってすぐの北側の部屋にファミクロを設けることが多いのですが、北側は冷気が当たり結露しやすいため、そのまま家具を置くとカビてしまうことがあります。

そのため、インナーサッシを入れたり壁をふかしたりして、まずはしっかりと断熱を行うことが重要です。

その上で、ドアをなくして空気が通るようにしたり、自然給気と換気扇を併用して空気を動かすことも欠かせません。

プロのアドバイス
エコカラットのような調湿建材を採用するのも一つの方法ですが、湿気を吸い続けるとカビの原因になるため、きちんと換気をして湿気を放出させる必要があります。また、日光の紫外線は服が日焼けしてしまう大敵です。もしファミクロに窓をつける場合は、紫外線を90%以上カットするガラスフィルムもしくはLow-Eのガラスを入れるなどの対策が必須になります。

ファミリークローゼットを作るか迷ったときの判断基準と将来の計画

ファミリークローゼットを採用するか迷った時に確認すること

ファミリークローゼットは便利な反面、家全体の広さやライフスタイルによっては適さない場合もあります。導入を迷った際は、以下の基準で収納計画を検討することが重要です。

導入を左右する3つの基本条件
  1. 構造的に抜ける壁か、間取り変更は可能か、そして十分な床面積があるか
  2. 家族構成と物量
  3. 洗濯のスタイル(乾燥機メインか、外干しメインか)

夜に洗濯をして乾燥機を使うならランドリールームとファミリークローゼットを繋げると便利です。

部屋数が足りない場合は、無理にファミクロという1つの部屋を作らず、洗面室に小さな収納を設けたり、主寝室と分けたりする『分散型』をご提案することもあります。

配置に関する注意点:生活動線から外れた「奥まった部屋」には配置しない

普段の通り道から離れた場所に押し込むと、アクセスが面倒になり結果的に使われなくなります。中身の把握も難しくなるため、必ず日常的な家事動線・生活動線の線上に配置する必要があります。

子供の成長を見据えた将来計画

子供が思春期を迎えると、親と同室での着替えや、衣類を一緒に収納されることに嫌悪感を抱く時期が来ることもあります。そのため、将来の使い分けを前提とした計画がおすすめです。

■1階(ファミクロ)
 下着類、家族共有の季節物、リネン類、趣味の道具などの収納に特化させる。

■2階(子供部屋周辺)
子供専用の衣類を収納する個別のクローゼットを設け、成長に合わせて衣類の管理を独立させる。

広さ、寸法、湿気対策、そしてご家族の将来のライフスタイル。 ファミクロの計画には、考えるべき要素がたくさんあります。

ご自身の生活にファミクロが合っているのか、それとも分散型の収納が良いのか迷われた際には、ぜひ家づくりのプロであるZealに一度ご相談ください。

誠実に、お客様に寄り添った最適なプランをご提案させていただきます。