こんにちは!兵庫県神戸市の株式会社Zeal(ジール)です。
住まいのリフォームや間取り変更を計画する際、親御様が頭を悩ませることが多いのが「子ども部屋の広さ」についてです。
「子ども部屋は6畳位は必要」「狭い部屋だと可哀想」というイメージを持たれている方も多く、4.5畳や4畳といったコンパクトな計画に対して「置きたい家具が置けないのでは」「圧迫感があって勉強に集中できないのではないか」と心配される声をよく耳にします。
しかし、現代の日本の住宅設計やリフォームの現場においては、子ども部屋の広さに対する考え方が昔とはかなり大きく変化しています。
今回は、現代の子ども部屋の広さトレンドから、限られたスペースを広く快適に使うためのプロの設計テクニック、将来の仕切り方、定員以上の個室を確保するやりくり術まで、余すことなくお伝えします。
現代の子ども部屋は「小さめ」が新基準!その背景とトレンド
昔の一戸建てやマンションでは「子ども部屋=6畳」が標準的な設計とされることが多くありました。
しかし、最近ジールでリフォームや間取りの設計をされるお客様の間では、子ども部屋の面積を意図的に小さく(4.5畳や4畳、場合によっては3畳程度に)作ることが多くなっています。
なぜ、子ども部屋を小さく設計するご家庭が増えているのでしょうか。そこには現代の住まい方や、家族の暮らしの変化に合わせた合理的な理由があります。
子ども部屋を小さめにする理由は、大きく分けて3つあります。
子ども部屋を小さめにする理由
- 子どもが部屋を使う期間の短さ
高校を卒業して大学進学や就職などで家を出ていくと、実際に子ども部屋として使われる期間は10年前後であることがほとんどです。その後、使わなくなった広い個室がただの物置になってしまうのを防ぐため、あらかじめ「子どもが巣立った後、夫婦の寝室やフリールームとしてどう活用するか」を見据えて小さく作っておくのが合理的という考え方が多くなっています。
- リビング学習の定着やファミリークローゼット(ファミクロ)の普及
最近の間取りでは、家族みんなの衣類を一括管理する大きなクローゼットを廊下などに設けたり、洗面室を広げて下着や日常着を置けるようにしたりする工夫が人気です。さらに、子ども部屋に学習机を置いてこもって勉強するのではなく、リビングのダイニングテーブルや、スタディコーナーなどをリビングの外に設けるケースが増えています。そのため、個室の中に大きな机やタンスを置く必要性が薄れてきています。
- 子どもを孤立させない
子どもが孤立したり引きこもりを避けるためにあえて広すぎないように設定し、プライバシーを確保しつつも、できるだけ家族と過ごせるよう共有スペースでの時間を充実させたいと考える方が増えています。
4.5畳の場合のシングルベッドと家具を置いた時のレイアウト
「そうは言っても、4.5畳は本当に狭すぎないか」と不安になる親御様のために、具体的な家具の「寸法」をもとにレイアウトをシミュレーションしてみましょう。
・シングルベッドの寸法: 一般的なシングルベッドは幅約1,000mm × 長さ2,000mmです。ヘッドボードのデザインやシーツの厚み、設置時のわずかなゆとりを考慮すると、実際に部屋に配置するスペースとしては長さ2,200mm〜2,400mmほどを見ておく必要があります。
・4.5畳(四畳半)の寸法: 一般的な正方形の4.5畳は、約2,700mm × 2,700mmです。
4.5畳のレイアウトのコツ
4.5畳(2,700mm × 2,700mm)の部屋に長さ2,200mm〜2,400mmのシングルベッドを置くと、ベッドの足元や横側にまだ数十センチから1メートル近いスペースが残ります。ここへ横幅1,200mm程度までのしっかりとしたワイドサイズのデスクを並べて配置することは十分に可能です。
ただし、部屋の中にクローゼットなどの固定収納をたくさん作ってしまうと、扉の開閉スペースも含めて部屋が狭く感じてしまいます。そのため、4.5畳の設計では部屋の中にクローゼットを作らず、収納は外のファミクロに頼るか、あるいは80cm〜90cm程度の最小限のオープン収納を1つだけ設けるという形にするのが、スッキリと使いこなすコツです。
狭い部屋でも圧迫感を与えない!プロが提案する広く見せるテクニック
子ども部屋をコンパクトにする場合、仕上げや建具(ドア)、窓の選び方を工夫することで、視覚的な圧迫感を和らげ、数字以上の広さを感じさせることができます。
広く見せるためのテクニックを3つご紹介します。
色の選び方
まず、全体は明るめの仕上げをおすすめします。視覚的に広がりを感じさせることができます。
色の選び方としては、必ずしも壁紙(クロス)を真っ白にする必要はありません。お子様のお好みの色の系統を取り入れつつも、ドアやカーテン、壁の色などのトーン(色の系統)を綺麗に統一する「同系色コーディネート」をしてあげると、視覚的なノイズが減って部屋が広く見えます。
扉の選び方
入り口のドアは前後に開閉スペースが必要な開き戸ではなく、スライドして開閉できる「引き戸」にするのがおすすめです。
また、扉はハイドア(天井まで届くハイタイプのドア)にすると、壁とドアの境目がすっきりとして視線が縦に抜けるようになります。
クローゼットの扉をもし付ける場合も、天井まで届くハイタイプの扉にすることで、すっきり見えると思います。
窓やカーテンなどの選び方
家具を置く壁面をできるだけ広く確保するために、窓の位置を「ハイサイドライト(高窓)」などの高い位置に設けるのもおすすめのテクニックです。光を取り込みつつ、床付近の壁が自由に使えるようになり、視線が上に向くため空間を広く見せられます。
また、窓まわりに一般的なドレープカーテンを採用すると、窓の手前に10数センチほどの厚みが突き出してくるため、狭い部屋ではそれだけで窮屈な印象になります。そのため、窓枠の内側にすっきりと納まる「ハニカムスクリーン」や「ロールスクリーン」、あるいはスリムな「ブラインド」にするのが有効です。
家具に関しても、本棚や収納などを「フロートタイプ(壁付けで浮かせる)」にして、床のフローリングがたくさん露出するように工夫すると、人の目は床の広さで部屋の大きさを認識するため、広く感じられるようになります。
マンションリフォーム特有の「窓のない部屋」への対策
マンションを細かく仕切って子ども部屋を作る際、どうしても外壁に面しておらず「窓がない中部屋」ができてしまうケースがあります。
マンションで部屋を仕切る際、隣の部屋(リビングなど)の大きな掃き出し窓側から光や風を通すために、部屋の間仕切り壁の上部に、パタパタと開閉できる「フラップ式のハイサイド窓(室内窓)」を設けたり、ガラス入りの抜き窓を作ったりする工事を行っています。
フラップ式のハイサイド窓(室内窓)によって光と空気の通り道をしっかり作ってあげることで、息苦しく暗い空間になってしまうのを防ぐことができるため、非常に重要なポイントです。
子ども部屋の収納はどうする?
子ども部屋を綺麗に保ち、片付けやすい部屋にするためには、収納の仕組みづくりが重要です。
基本的には、廊下などの共有スペースに大きなファミリークローゼットを設けて、夏物や冬物の衣替え、普段の洗濯物の片付けなどは親御様が外で一括管理してあげるのが、家事の負担が大きく軽減されます。
ただし、子どもが自分で片付けを習慣づけ、自立心を育てるという観点からは、子ども部屋の中にも「半畳(約90cm幅)程度」の小さくて良いので、オープンなクローゼットを作って「ここはお子様自身の管理スペース」にしてあげるのがおすすめです。親の管理しやすさと子どもの自立心を両立する設計にすることができます。
お気に入りのおもちゃや、趣味のもの、自分で飾ったりしまえる場所があると、喜んで片付けるようになります。
クローゼットの扉について
クローゼットに「折れ戸」や「観音開き(両開き)の扉」をつけてしまうと、扉を開けたときに手前にデッドスペースができて家具の配置が制限されてしまいます。そのため、扉をあえてつけないオープン収納にするか、引き戸にしてあげるのが、限られた床面積を有効に使うコツです。
将来2つの部屋に「仕切る」前提で作る場合のポイント
子どもの成長に合わせて、最初は1つの大きなお部屋(10畳など)として広く使い、将来的に壁を立てて2つの個室に分けるという計画は、考えておくべきポイントがいくつかあります。
将来2つの部屋に平等に分けるためには、あらかじめリフォームの設計時に「窓・エアコン・スイッチ・コンセント」を左右対称に2系統計画しておくのが重要です。
これらを見落とすと、いざ仕切る際に大掛かりな追加工事が必要になってしまいます。
“子ども部屋を仕切る”ことに関しては別記事で詳しく解説していますので、こちらの記事をご覧ください。
子どもが3人なのに1部屋しかない!スペースをフル活用するプロの技術
「部屋の数は足りないけれど、性別や年齢が違う3人の子どもたちに、どうしても個室を与えてあげたい」という切実なお悩みをいただくこともあります。
そんな時、ジールでは家全体の間取りの変更も含め、造作(オーダーメイド)の力を駆使して、以下のような方法をご提案しています。
コンパクトなスペースをフル活用するプロの方法
- 1人の個室の広さをあえて「3畳程(ベッドが置ける限界のコンパクトなスペース)」に設計します。
- ベッドは、市販のものを置くと無駄な隙間ができてしまうため、大工が現場で部屋の寸法ぴったりに「ロフト風の2段式ベッド」や「階段付きのベッド」を造作(オーダー)で作り込みます。またベッドの頭側や通路のわずかなスペースに、ぴったり収まる本棚や棚を木で作って埋め込みます。
- そして、各小部屋のドア(建具)はあえて付けず、角度などを気をつけながらカーテンなどで柔らかく視線を遮る仕切り方にします。こうすることで、3つの狭い部屋に対してそれぞれ高価なエアコンを計3台も設置するのではなく、廊下や共有スペースに設置した「大型のエアコン1台」だけで、すべての個室に心地よい風を行き届かせることができ、コストも大幅に抑えられます。
- 勉強机は部屋の中に置かず、3つの個室に囲まれた真ん中のスペースを「共有のフリールーム」にし、そこに壁付けの「フラップ式のパタパタ折りたためるカウンターデスク」を設置します。使わない時は壁にピタッと閉じておけるため、通路の邪魔になりません。
- クローゼットも各部屋にはおかず、共有のものを設けます。
お子様たちの性別(男女)や年齢差もしっかり考慮し、将来的にどのお部屋を優先してしっかりと完全に壁で仕切るかなどの「時間差のレイアウト計画」まで、お客様と一緒に考えながら作っていきます。
広さがある場合の空間活用のポイント
たとえ家全体に十分な広さがあっても、子ども部屋はあえて「必要最低限(3〜6畳)」にコンパクトに留めるのが私たちのおすすめです。
子どもの部屋が快適で広すぎると、部屋にこもりきりになる原因にもなります。
個室の広さを抑え、その分リビングなどの共有スペースを広く充実させることで、自然と家族が集まる温かい住まいになります。
個室を小さくした分、広くなった「共有スペース」の活用アイデアをいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
| 空間活用の例 |
具体的な内容 |
| 1. 洗面所の充実 |
洗面脱衣+ランドリールームを一体化。洗う・干す・畳むをできるようにし、下着類などを衣類を一部しまえるような収納棚の設置。 |
| 2. 2階ホール・廊下に「造作ライブラリー(壁一面の本棚)」をつくる |
家族みんなの本や教科書を置ける本棚スペースを共有エリアに作る。 |
| 3. 室内アスレチック(うんてい・クライミング・ハンモックなど) |
アクティブなお子様のために、共有スペースの天井や壁に室内遊具を導入する。 |
| 4. ファミリークローゼットの充実 |
各部屋に収納を分散させず、広いファミクロを作って家事効率を最大化する。 |
| 5.共有の「フリールーム」「フリースペース」をつくる |
共有のフリールームを設け、スタディコーナーにしたり、友達が遊びに来たときに親がいるリビングではなく、気兼ねなく遊べる場所にしたりする。 |
フリースペースに、スタディコーナーを作った例。
・デスク使用時
・デスク収納時
フラップ式のパタパタ折りたためるデスクを設置することで共有の空間を有効活用しています。
子どもが巣立った後の活用法とは
子ども部屋としての役割を終えた4.5畳や6畳の空間は、そのコンパクトさを活かして様々な第二の使い道に生まれ変わります。
子ども部屋を小さく作ったお客様のその後で、非常によく選ばれているのが「隣のご夫婦の寝室と繋げて、扉のないウォークインクローゼット(WIC)にする」という活用方法です。4.5畳をウォークインクローゼット(WIC)にして、6畳を夫婦の寝室にするという使い方で、入口はそのまま壊さずに使用するという方法です。
また、元々夫婦の寝室にしていた狭い部屋を、壁を取り払ってリビングの一部に取り込んだり、書斎につかうなども人気です。
プロが自分の家に子ども部屋を作るなら?
数多くのリフォーム現場や、様々なご家族の住まい方を見てきたプロが、もし自分の家をリフォームして子ども部屋を作るなら、どのような設計にするのでしょうか。
「私は自分の家に作るなら、迷わず3畳か4畳の極小個室にしますね。そして、勉強用のカウンターと本棚を、最初から壁にぴったり収まるように木で作り付け(造作)にします。
子ども部屋は、必要最低限の”寝る場所”と”個人の最小限の収納”だけで十分だと思います。
本を読んだり、テレビを観たり、ゲームをしたり、ご飯を食べたりすることは、すべてリビングや共有のスタディスペースで行うように作ります。
親が子どもを過度に監視するのではなく、自然とお互いの気配を感じられ、毎日顔を合わせて言葉を交わせるような動線にしておくことが大切だと思います」
「兄弟がいる人いない人でも、子ども部屋への感覚が違うかもしれないですよね。」
「私の実家は、兄弟それぞれ個室が4畳だったのですが、末っ子だった私は”1階の和室”に部屋を移されて、子ども心にとても渋い思いをした経験があります(笑)。」
平等にお部屋を与えてあげることや、小さくても自分だけのパーソナルスペースは、子どもの成長においてとても大切ですね。
まとめ
子ども部屋をただの「孤立した個室」にするのではなく、これからのご家族の暮らしの変化に寄り添ったレイアウトを考えることが、後悔しないリフォームの鍵となります。
「我が家の間取りでも子ども部屋を仕切ることはできる?」「狭くても快適な3人部屋の作り方を教えてほしい」など、どんな細かなお悩みでも構いません。
リフォームの際は家づくりのプロであるZealに一度ご相談ください。お客様のこれからの暮らしとご家族の未来に誠実に寄り添い、最適なプランをご提案させていただきます。