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リノベコラム

2026/02/06 2026/02/09

【現場のリアル】巾木(はばき)なしは絶対NG?リフォームのプロが教える「30mmの正解」と「アルミの罠」

「インスタで見るような、巾木(はばき)のないシュッとした部屋にしたい!」

「生活感を消したいから、巾木はいらない!」

神戸市垂水区・須磨区でリフォームのご相談を受けていると、最近おしゃれな奥様からよくいただくご相談です。壁と床の境界線にある、あの細長い板。「これさえなければ、もっとお部屋がスッキリするのに」と思いますよね。

でも、現場のプロ(監督・職人)の本音は「絶対に巾木はあった方がいい。むしろ無いと後悔する」です。

なぜプロはそこまで反対するのか?

今回は、教科書通りの回答ではなく、「実際にアルミ巾木を使って苦労した話」「監督が自宅ならどうするか」という、Zealの現場で起きたリアルな一次情報を包み隠さずお伝えします。

「巾木なし」にすると、逆に工事費が高くなる?

まず、多くのお客様が勘違いされていることからお話しします。

「巾木をなくせば、材料費がかからないから安くなるでしょ?」

答えはNOです。むしろ高くなるケースがほとんどです。

現場監督が「巾木なし」を嫌がるのには、単なるデザインの好みではない、家の構造に関わる深い理由があります。

フローリングは「呼吸」して動いている

木(フローリング)は、季節の湿気によって伸びたり縮んだりします。

もし壁にピタッと隙間なく床材を貼ってしまうと、梅雨時期に湿気を吸って膨張した際、逃げ場がなくなって床が盛り上がったり、割れたりしてしまうのです。

そのため、職人は壁際にあえて数ミリの「逃げ(隙間)」を作って床を貼ります。巾木は、その「構造上必要な汚い隙間」を隠すためのカバーなのです。

これを「巾木なし」でやるということは、隙間をコーキング(ゴム状の充填剤)で埋めるなど、非常に手間のかかる処理が必要になり、結果として人件費が跳ね上がります。

掃除機ガンガン問題

もう一つの理由はシンプルですが切実です。

巾木がないと、掃除機やルンバが壁(クロス)に直接当たります。

監督曰く、「角(コーナー)部分は特にボロボロになる」とのこと。数ヶ月もすれば、壁の足元が黒ずんだり、クロスがめくれて破れてきたりしてしまいます。「掃除機止め」としてのガードマン役は、長く綺麗に住むためには必須なのです。

現場で起きた悲劇。「アルミ巾木」の罠

「じゃあ、薄くてかっこいいアルミ製の巾木はどう?」

最近、森田アルミ工業さんなどの、高さ12mm程度の極薄アルミ巾木が人気です。見た目は非常にかっこいいのですが、リフォームでの採用には大きな落とし穴があります。

現場監督が実際に使ってみて感じた「リフォームでアルミ巾木をおすすめしない理由」を暴露します。

壁の「波打ち」を拾ってしまう

新築と違い、リフォーム現場の壁は、経年変化で微妙に歪んでいます。完全な真っ直ぐではありません。

監督が実際にアルミ巾木を施工した際、こんなことが起きました。

「アルミ巾木自体は金属だから一直線なんです。でも、それをリフォームの壁の下地に当てると、壁の微妙な凹凸(波打ち)に合わせてアルミとの間に隙間ができてしまうんです」

結果、ボードを貼り戻した時に、巾木と壁の間に隙間が空いてしまい、それが「壁の歪み」としてモロに見えてしまうそうです。

「施工の手間がかかる割に、仕上がりが美しくない」。これが、現場を知る人間がアルミ巾木に慎重になる理由です。

プロがたどり着いた正解「高さ30mm」

では、「機能は欲しいけど、見た目はスッキリさせたい」というワガママをどう解決するか?

Zealの現場監督と営業担当がたどり着いた「現時点での最適解」はこれです。

Panasonic「スマート巾木」(高さ30mm)

現時点での最適解、Panasonic「スマート巾木」(高さ30mm)です。昔の巾木は高さ60mmが標準でしたが、このスマート巾木はその半分の30mm。存在感を消しつつ、しっかりと掃除機から壁を守ってくれます。

ここがプロの推しポイント!

■ホコリが溜まらない形状
昔の「ソフト巾木」には上部に数ミリの溝(リップ)があり、そこにホコリが溜まって掃除が大変でした。スマート巾木はストンと落ちる「ストレート形状」なので、ホコリが溜まりにくく、掃除の手間が激減します

■掃除機対策の裏技
コーナー(角)部分は掃除機が当たりやすく、傷がつきやすい場所です。見た目を優先して「シート巻き込み(留め)」で仕上げることもできますが、強度が落ちます。
Zealでは、あえて「樹脂コーナーキャップ」をつけることを推奨しています。見た目は少しキャップ感が出ますが、掃除機の衝撃から確実に壁を守れるからです。

【表で比較】プロがジャッジ!巾木メーカー別「本音」評価

「結局、どれを選べばいいの?」と迷う方のために、Zealの現場監督と営業担当が、デザイン性だけでなく「リフォームでの施工リスク」「掃除のしやすさ」で辛口評価しました。

メーカー・種類 見た目
(スッキリ度)
掃除の
しやすさ
リフォーム
相性
現場のリアルな評価
Panasonic
スマート巾木

(高さ30mm)

(溝なし)
【Zealの鉄板】
高さ30mmで主張せず、上に溝がないのでホコリも溜まりにくい。施工もしやすく、迷ったらコレ一択です。
森田アルミ工業
アルミ巾木

(超薄型)
【新築なら最高だが…】
見た目は抜群にかっこいい。ただ、リフォームの歪んだ壁につけると「波打ち」が目立ってしまい、施工難易度が非常に高いです。
神谷コーポレーション
サンワカンパニー
【予算調整の味方】
シンプルで目立たないデザイン。予算を抑えたい時や、塗装仕上げにしたい時によく採用します。
ソフト巾木
(ビニール製)
× 【おすすめしません】
安価ですが、上部に「数ミリの溝(リップ)」があり、そこにホコリが溜まって掃除が大変。最近はほぼ使いません。
無垢材・木製
(高さ60mm以上)

(存在感あり)
【雰囲気重視なら】
「木の温かみ」を出したいなら、あえて存在感のある木製を選び、塗装して仕上げるのも贅沢でおしゃれです。

色選びのコツ「壁に合わせる?床に合わせる?」

最後に、巾木の色選びの悩みにお答えします。

部屋を広く見せたいなら

「壁の色(白やグレージュ)」に合わせてください。壁と同化させることで、境界線が消えて天井が高く、部屋が広く感じられます。

木の温かみを出したいなら

「床の色(木目)」に合わせてください。ウッディで落ち着いた雰囲気になります。もし「本物の木質感」を出したいなら、既製品ではなく「無垢材の巾木」を使い、好きな色に塗装仕上げをするという贅沢な方法もあります。

 

まとめ:監督の「自宅」はどうなっている?

インタビューの最後に、現場監督にこんな質問をしてみました。

「もし、ご自分の家をリノベするなら、どの巾木を選びますか?」

監督の答えは、意外なものでした。

正直、巾木なんて何でもいいです(笑)。住んでしまえば、自分の家の巾木が何だったかなんて、思い出せないレベルの存在ですから」

これがプロの本音です。

「巾木なし」や「アルミ」にこだわって施工費を上げたり、メンテナンスのリスクを背負うよりも、「掃除がしやすくて、壁を守れて、目立たない(30mm)」という実用性を選ぶ。
それが、長く住んでもストレスがたまらない家の正解なのかもしれません。

Zealでは、お客様の「デザインの理想」を叶えつつ、プロとして「生活の現実」を守るご提案をさせていただきます。
「うちの壁でもスマート巾木はいける?」と迷ったら、ぜひお気軽にご相談ください!